KONAN|株式会社興南産業

パッケージ豆知識

紙器に用いる紙の種類

「紙」は、「和紙」「洋紙」「板紙」「段ボール」の4つに、大きく分類することができます。
ここでは、このうち紙器に用いることが多い「板紙」について、詳しく説明いたします。

板紙の分類

印刷紙器に用いられる「板紙」は、表層・中層・裏層の3層から構成され、各種のパルプを重ね合わせることにより、1層構造の「洋紙」にはない特性が付与されています。
なお、以下の分類は製紙メーカー等による区分よりも単純化し、使用頻度の低いものは省いています。

  • アイボリー

    表層・中層・裏層とも晒化学パルプを原料とする。紙の表面の仕上げにより、両面コート・片面コート・ノーコートに分かれる。紙を構成する繊維が長いため、耐折強度が高い。アイボリーは特に、パッケージに高級感・清潔感を求める場合に使用される。

  • カード

    表層・裏層は晒化学パルプ、中層は機械パルプまたは脱墨古紙パルプを使用。紙の表面の仕上げにより、両面コート・片面コート・ノーコートに分かれる。片面コートカードのうち、古紙の比率が高いものを特に、カードBと呼ぶ。カードは、品質・価格とも、アイボリーと白ボールの中間に位置する。

  • 白ボール

    表層は晒化学パルプ、中層・裏層は新聞古紙パルプ等を原料とする。紙の表面の仕上げにより、コートボール・ノーコートボールに分かれる。コートボールは最も広く使用される板紙で、白板紙生産量の約5割を占める。また既成サイズも豊富なため紙の無駄も出にくく、コストパフォーマンスが高い。

  • チップボール

    新聞古紙パルプ等を原料とする。貼り箱の中芯・本の表紙の中芯などに用いられる。

紙器の分類と基本的形態・名称

紙器の構造の基本は1枚の板紙をいかに正しく、機能的に、物を包むかを考えることであり、その手段として、板紙を折り曲げたり、切ったり、つないだり貼り合わせたりすることで、この手段を追求し完成させたものが、フォールディングカートンであり組立函や貼り函と言えます。
それらの構造と形態と使用目的から、基本スタイルをまとめてみました。

ストレートカートン

一般的にサック箱と言う名称で呼ばれ最も目につくポピュラーなスタイルのカートンで、フォールディングカートンの中のチューブ状のものをいいます。

  • スリーブ箱

    筒状のケースと組立式身箱を組み合わせた箱で、身はスライドさせて使用します。キャラメル、タバコなどの箱に使用されています。

    スリーブ
  • キャラメル箱

    石鹸などの個装用として最も多く使用されているストレートカートンの代表的スタイルであり、差し込みのつく位置によって、ストレートタック・リバースタックの二種類に分けられます。

    ストレートタック
    リバースタック
  • シールエンドカートン

    キャラメル箱の差し込み部がなくカバーフラップとボトムフラップを、糊付けして止めるもので薬品の箱等に多く使用されています。

  • 底ロック式ケース

    キャラメル箱の底部をロック構造にしたもので、縦型で使用される商品(化粧品、薬品、酒類)に多く使用され、ある程度の重量にも耐える構造の箱です。
    底部のロック方法が手組みのものを「底ロックカートン」と言い、底面にも糊付けをして自動ロック構造を持たせたものを「底ワンタッチカートン」と言います。

    底ロック形式
    底ワンタッチ形式
組立カートン

折り筋を打ち抜いたままのカートンで使用時に手でロックしながら、組立てる構造のカートンです。

  • 蓋・身式ギフト箱

    4面のパネル部を二重にし、さらに底部で折り返すフラップをつけ、4面の延長フラップのかみ合わせによりパネルを固定したもので、一部糊付けする場合があります。

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n紙器に用いる紙の種類
n紙器の分類と基本的形態・名称